2025.09.27

演劇部 泉ヶ丘祭公演「恋する惑星」

演劇部員 高校1年生 矢野 樹

僕は今回、「恋する惑星」という演目で、主人公の相原役を務めさせていただいた。もてたい高校生の相原と、友だちのさつきが共に妄想を繰り広げる物語である。

初の主演ということで、練習の段階から緊張していた。劇自体は短いが、短い練習期間で仕上げなければならなかったので、ひとつひとつの稽古を集中して取り組んだ。
至らぬところはあったと思うが、本番当日も、持てるすべての力を出し切り、全力で演じた。見事笑いをかっさらい、劇を成功させることができた。

五月初頭、僕が文化ホールの扉を叩き、演劇部の世界に足を踏み入れたのは、ある思いがあったからだ。弟が三年前、フィギュアスケートという趣味を見つけた。毎日リンクに通い、練習に励んでいる。かたや僕はどうか。弟のスケートのような、心から熱中できるものがない。高校生になり、このままではいけない!自分を変えねば、と思った。そのためには部活に入ることが有効だと考えたが、自分にはどの部活が合うのか、またどの部活に入りたいのか、迷い、判断しかねていた。

あるとき、廊下に貼られたポスターを見た。演劇部の体験会の宣伝である。僕はこれに、文字通りビビッときたのである。そういえば顧問は中3の時の国語の担任、羽室大先生ではないか!

これは行ってみるより他ない。体がそう言っていた。己が直感を信じ、文化ホールに足を踏み入れた。ホールには暖かい空気が漂っていた。先生や先輩方が、懇切丁寧に基本から教えてくださった。体験を終え、やはり僕の直感は間違っていなかったのだと思った。僕はすぐに入部届を提出した。

今は、演劇部の一員であることが、とても楽しい。それまでぼうっと過ごしていた時間も、次の稽古ではどのようにやってやろうか、などと考えるようになった。自分の役を持って、ひとつの劇を完成させる喜びを知ることができた。あの日の出会いには、とても感謝している。これからも精進し、いずれはこの部活を引っ張っていけるような人間になりたい。

 

【動画】泉ヶ丘祭での公演の様子…動画の解像度が低くなっております。予めご了承ください。